ピアニスト

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公開中の「隠された記憶」が気になって、同じミヒャエル・ハケネ監督の作品ということで借りてみたのですがとても悲しい作品でした。話の内容はある程度事前に知っていたつもりでしたが、中途半端なホラーやミステリーより衝撃ははるかに大きかったです。

あらすじ (ツタヤの紹介ページからコピペしちゃいました)
ピアニストになるため、母親に厳しくしつけられていたエリカ。遊ぶ時間はなく、少し家に帰るのが遅れれば叱られる。常に他人との距離を遠く保つようにさせられ、日々を送っていた。しかし、母の夢でもあったピアニストにはなれず、名門国立音楽院でピアノ教授となる。ある日、小さなコンサートでピアノを弾いていた青年 ワルターがエリカに思いを寄せてくる。そんなワルターはエリカの教授を受けることに。彼の一途な恋心を感じたエリカもいつしか彼に惹かれていく…。しかし、エリカは著しく歪んだ性という秘密を持っていた…。

まず恋愛ドラマではありません。それに芸術的ではありますが明らかに娯楽ではないです。終わった瞬間から忘れてしまうハリウッド映画とは対照的に終わってから考え始めてしまうような作品です。

観終わった時はまるで本を読んでいるかのような印象でした。DVDが壊れたのか?と思うほど止まったシーンがあったり、表情だけで会話がない長いカットがあったり意図的に考える時間を与えられているような印象でした。しかも重要な部分に関しては比喩的な表現が多いので観る人によって感じるものは異なると思います。、正直自分はエリカにもワルターにも共感出来ませんでしたが、悲しさや虚しさは強烈に感じました。役者の方も自分はこの映画で初めて知りましたが、すごい上手だと思います。特にエリカ役の方はこれ以上ないくらいにピッタリはまっていたと思います。

音楽も良かったです。BGMはないですけど。。。きっとシューベルトに関する知識や作中の楽曲やバックグラウンドのことを知ってるともっと作品の深いところまで理解できたのかなと思ったりします。
エンディングもそっけない感じだけど個人的には好きです。しかしエンドロールまで無音な映画は初めてでした。
全くもって最初から最後まで裏切られっぱなしだったけど非常によかったし考えさせる映画です。


きっとこの映画の深さは自分程度では一度観たくらいでは分からないんだろうな。
また時間を置いて観てみようと思います。隠された記憶も観に行かないと。。。