ベニーズビデオ

正月早々、重い作品を見てしまい気が滅入っております。。。
Hbenny

ホームビデオの豚をと殺するシーンを何度も繰り返し見ている主人公ベニー。
ある日行きつけのレンタルビデオ店で知り合った少女を家に連れ込み衝動的に殺してしまう。後日それを知った両親が取った行動とは。。。



他の人も同じと思いますが、自分は気に入った映画は何度も観るってわけではないですが、DVDで買うようにしています。でもこの人の作品は何となく買ってはいけないような気がしてしまいます。
今作品も凄いんだけど、それと同時にもう観たくないと思わせる不思議な作品です。

スタートからこの作品を象徴する豚のと殺シーンを繰り返し見せられゲンナリ。。。

ベニーは恐らく裕福な家庭なのだと思われますが、両親が共働きで基本的に家で一人です。趣味はビデオ撮影なようで自分の撮ったビデオをコレクションのように沢山持っています。その中でも特に豚をスタンガンでと殺するシーンが好きなようで、何度も繰り返し見ています。まあ、今だとネットでグロ画像を見ている少年のようなもんか。

殺人を行った後、淡々と後片付けをしている場面や、作業中に途中疲れて遊びに行ったり食事をしたりするシーンはリアリティーがあり過ぎて気持ち悪くなります。
きっと実際の犯罪の現場もこんな感じなんだろうというくらい、非常にあっけなく、そして淡々と日常が過ぎていきます。

それ以上に恐ろしいのは殺人を知った後の家族の行動で、息子を叱るわけでも自首させるわけでもなく、いかにしてこの場を上手くやり過ごすかを考える両親。まるで自分は関係ないかのように「お腹が空いた。」と言うベニー。。。

全くもって通常予測され得る展開からどんどん離れていくこの映画を観てベニーや彼の両親を非難することは容易いですが、今の社会なら十分ありそうなだけに恐ろしいです。

後半は自宅にて遺体処理を行っている父親を残し、偽装工作の為の母親とのエジプト旅行。ひたすらに母親と息子の楽しい旅行シーンが映し出されます。自宅で何が行われているのかと思うとそれはそれで恐ろしいのですが、旅行中はベニーも年頃の少年の一面を見せます。

主人公が最後にとった行動がほんの少しだけ希望を感じさせるものだったのが、せめてもの救いか。。。

別にこんなのばかり見てるわけではないんですが、日記にアップするほどのインパクトがある映画ってあんまりなくて。。。
ハネケの作品はピアニスト、隠された記憶に続けて3作目ですが、またきっとツタヤに行ってしまうんだろうなあ。。。